「ブロックチェーン」
最近よく耳にする言葉ですよね。
他にも「仮想通貨」「NFT」なども、よく耳にします。
この「仮想通貨」「NFT」を、可能にする技術が「ブロックチェーン」って知っていましたか?
これからの時代は「ブロックチェーン」という技術なくしては成り立たない、と言ってもいいかもしれません。
そんな「ブロックチェーン」
これを大まかにでも理解してるのと、「何それ? よくわからない。。」という状態では、これからの時代に取り残されるかもしれませんよ。
ここでは、あなたの「ブロックチェーンって何?」を、やさしく解決していきます。
⇩こんな人は是非読んでみてください(^^)
ブロックチェーンってよく聞くけど、一体なんなのか全然わからない。。
説明読んでも、その説明が難しいんですよね。
誰か!むずかしい言葉は使わないで、
やさしく教えてー!!
まかせてください!
それでは早速はじめましょう!
ブロックチェーンとは?
情報を記録する技術の一種で、 一言で言うと「みんなで管理する台帳(売買の金額などを記しておく帳簿)」です。
どんなものか簡単に説明すると ⇩
情報をブロック(箱)に入れて、何が入っているかみんなで確認、箱を閉じて、時間順に並べて、その箱同士をチェーン(鎖)のように繋げて、溜めておく、これをみんなで管理する。
画像にすると ⇩
すごく、簡単に言ったので、反論もあると思いますが、まずはイメージすることが大事です。
ちなみに、日本ブロックチェーン協会(JBA)の出している定義がこちら ↓
日本ブロックチェーン協会のブロックチェーンの定義
ブロックチェーンの定義
1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
1) A blockchain is defined as a protocol, or implementation of a protocol, used by an unspecified number of nodes containing Byzantine faults, and converges the probability of consensus reversion with the passage of time to zero.
2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」
2) In a broader sense, a blockchain is a technology with a data structure which can easily detect manipulation using digital signatures and hash pointers, and where the data has high availability and integrity due to distribution across multiple nodes on a network.
https://jba-web.jp/news/642
私は1行目で気を失いました。
とにかく、詳しくはこういうことのようです。
次は、ブロックチェーンの特徴をもう少し掘り下げてみましょう。
ブロックチェーンの特徴
一番の特徴は、”分散して管理される” ということです。
今までは、銀行のような機関が情報を、中央で一括管理していました。
しかし、このブロックチェーンは、ユーザーのコンピューターに分散して保存されます。
すると、こんな違いが ↓
中央の管理している機関でシステム障害が起こると、全てのユーザーに影響が出る。
1箇所でシステム障害が起こっても、分散して管理してるため、全てに影響が起こることはありません。
よって、他で復旧することが可能になり、システム障害に強く、低コスト管理できるのです。
「中央で一括管理」と言う形に慣れてしまっているため、「中央で管理する人がいない」 と言うことのイメージがしにくいですが、参加者が自律して情報をコピーし続けることで、大きなメリットが得られそうですね。
ちなみに、このように参加者が自律して情報を管理している形を ”自律分散システム” といいます。
それでは、もう少し ”分散して管理する” と言うことを深掘りして見ましょう。
分散して管理する
ブロックチェーン技術をベースに ”分散して管理する” ことで得られるメリットは、主にこの3つです。
- 改ざんがとても難しい
- システムダウンが起きない
- 取引記録を消せない
ブロックチェーンは、暗号技術(P2Pネットワーク、ハッシュ化、電子署名、コンセンサスアルゴリズム)を使うことで、データの改ざんを簡単に見つけることができます。
例えば、ブロックチェーン技術をベースとしたサービスを、たくさんの人々が使い、取引を行います。
その人々が、取引履歴のコピーを記録しているため、一部のコンピュータでダウンが起こっても、他のコンピュータが記録を持ち続けているため、システム全体がダウンすることはありません。
この取引履歴のコピーは削除もできないため、一度記録された取引の記録は消えずに証拠として残り続けます。
「もう少し、細かく!」と思った方は、「P2Pネットワーク、ハッシュ化、電子署名、コンセンサスアルゴリズム」と言う、暗号技術を理解することで、もう1段階詳しくなります。
P2Pネットワーク(Peer to Peer : P2P : ピアツーピア)
コンピュータ同士に ”役割の違い” や ”上下関係” がない。
すべてのコンピュータが ”平等で対等” な状態で、1体1の直接通信をすることを「P2P」と言い、
P2Pで繋がったコンピュータが多数集まり、お互いに通信をし合うネットワークを、「P2Pネットワーク」と言います。
この ”P2P” の場合、システムが分散されているため、一部のコンピュータがダウンしたとしても、システム全体は動き続けます。
従来の形では、”サービスや機能を提供する側のコンピュータ” と ”サービスや機能を使う側のコンピュータ” のように役割が違い、上下関係があります。
そのため、”サービスや機能を提供する側のコンピュータ” がダウンしてしまうと、 ”サービスや機能を使う側のコンピュータ” 全体に影響が出ます。
しかし、”P2P” の場合、サービスを提供していたパソコンが、サービスを使うパソコンになったりと、コンピュータ同士が、 ”平等で対等” なのです。
ハッシュ化
「元の値を、全く違う値にかえること。」
もう少し詳しく、
元の値を「ハッシュ関数(値を入れると、適当な値(適当に見える値)にして返してくれる関数)」に入れて
新しく出たきた値(ハッシュ値)に変換すること。
例えば、「Lodo」と「lodo」と言う言葉をハッシュ関数で、ハッシュ値に変換して見ましょう。
「L」 を「 l 」に変えただけです。
元値 | ハッシュ値 |
---|---|
Lodo | d1fbbf82cd4fb2ac2f1c6254f992d5e07ecbd69fdb4aedfb269b2b4fffb577ee0b6f23b1697a735be52654d4946c45711f488c807bee434b37a503017f1a3750 |
lodo | 7a9b2c133cb2c3d4581eed2e193db3ceead0af498be91a905b3dda9ce6081db90afd67353da3233c33692738ec8e717582514bf9d986ea9f048fa3c2d1625f8b |
全く違う値になりましたね。
ここで注目して欲しいのが、「Lodo」と言う値が、グチャグチャな値になっただけでなく、お互いのハッシュ値の違いです。
「Lodo」と「lodo」と言う、一文字だけ違う言葉もハッシュ値にすると、全く違う値になりました。
と言うことは、もともとのデータが少しでも改ざんされたら、全く違うハッシュ値になるため、すぐに改ざんがわかるのです。
電子署名
「コンピュータ世界のハンコ」のようなものです。
これにより「誰が作ったもので、改ざんされていない」と言う証明ができます。
こんな感じです。↓
・電子署名を作るときには「秘密鍵」「公開鍵」と呼ばれる、ペアのキーが作られる
署名者は「秘密鍵」を使ってデータに署名をする
電子署名として受信者に送る
受信者は事前に受け取っていた「公開鍵」で、「誰が作り、改ざんされていない」と、言うことを確認
これにより、改ざんなどの不正を防ぐことができます。
コンセンサスアルゴリズム
一言で言うと「合意方法」です。
従来のように、中央集権的な形の場合、管理者が存在するため、管理者が決定をすることができます。
しかし、P2Pネットワークでは、中央で決定を下す人がいません。
そんなときに意見が食い違がってしまった場合、正しく合意をとり、進めることは困難です。
このような場合でも、合意を取る方法をコンセンサスアルゴリズムといいます。
コンセンサスアルゴリズムには色々な種類があります。
コンセンサスアルゴリズムの例↓
・PoW(プルーフ・オブ・ワーク)
・PoS(プルーフ・オブ・ステーク)
・PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)
・PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)
・DPoS(デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク)
ブロックチェーンのデメリット
ブロックチェーンの特徴がわかったところで、次にブロックチェーンのデメリットを理解しましょう。
良い部分の裏には、どうしても悪い部分がついてきてしまうものです。
”良い部分” ”悪い部分” の両方を知ることで、正しくブロックチェーンを理解できると正しく判断できます。
ブロックチェーンのデメリットは、主にこの5つです。
- データを消せない
- データが大きくなり続ける
- ”処理スピード” と ”障害耐性” の両立が難しい
- 悪意のある参加者を拒否できない
- 合意形成に時間がかかる
データを消せない
ブロックチェーンのメリットでもあり、デメリットでもある部分です。
データを消せないことのデメリットは、”消したい情報が間違ってブロックに入ってしまった場合” です。
従来の形では、個人情報を書いた場合 ”本人が希望すれば削除する義務” が個人情報保護法によって定められているため、書いた個人情報は消すことができます。
例えば「登録の時に住所と電話番号を書いたけど、やっぱり消したい」と言う場合でも、消すことが可能です。
しかし、ブロックチェーンではこのように消すことができません。
なので、個人情報などの大事な情報のあつかいは、今まで以上に気を付ける必要があるので注意しましょう。
データが大きくなり続ける
利用者が増えるほど ”通信量” と ”取引履歴として保持するデータ量” はどんどん増えていきますよね。
そうなると、処理速度が落ちる可能性が出てくるのです。
また ”通信量” ”データ量” ”コンピュータやネットワークの性能向上” ”ストレージの増大” などを、向上させ続けなければ、対応しきれなくなる恐れも出てきてしまいます。
”処理スピード” と ”障害耐性” の両立が難しい
ブロックチェーンの特徴は ”分散して管理される” と言うことを説明しました。
ここで問題になってくるのが、”処理速度は、分散して管理してる人のパソコンのスペックに依存する” と言うことです。
どう言うことかと言うと、ブロックチェーンは、”そのブロックチェーンに参加している人” が使っているパソコンの能力を、少しずつ使って成り立っています。
そのため、”そのブロックチェーンに参加している人” の使っているパソコン能力が低ければ、処理のスピードも下がってしまいます。
ブロックチェーンは、たくさんの人が分散して情報を持っていることで、改ざんを難しくします。
そのため、スピードを意識して高い能力のパソコンのみで構成すると、分散する場所が少なくなり、障害耐性が低くなってしまいます。
悪意のある参加者を拒否できない
ブロックチェーンのデータ管理は基本的に誰でも参加できます。
そのため、悪意がある参加者でも自由に参加できてしまうのです。
このようなリスクを回避するためにも、色々な種類のブロックチェーンが生まれています。
合意形成に時間がかかる
ブロックチェーンでは、情報を保管するのに ”何が入っているかみんなで確認” と言う作業が必要になります。
そのため、従来のクレジットカード決済などよりも時間がかかってします。
例えばビットコインの場合、取引から完了まで、およそ10分かかります。
クレジットカード決済のように、即決済できるようになれば、もっと世間に広まりそうですね。
ブロックチェーンの種類
ブロックチェーンには大きくこの3種類です。
- パブリックチェーン
- プライベートチェーン
- コンソーシアムチェーン
それでは一つづつ見てみましょう。
パブリックチェーン(ブリック型ブロックチェーン)
管理者が存在しないブロックチェーンで、許可がなく誰でも取引に参加でき、誰でも閲覧できます。
ブロックチェーンの基本形で、”ブロックチェーン” と言われたら、一般的にはこのパブリックチェーンのことです。
”ビットコイン” や ”イーサリアム” もパブリックチェーンで運用されています。
プライベートチェーン(プライベート型ブロックチェーン)
中央集権型のブロックチェーンで、管理者が存在し、許可をもらったユーザのみが利用できます。
- 外部に公開されないためプライバシーが確保
- 閉ざされたブロックチェーンで、データを保管できる
- 大勢いる参加者の合意形成を行う必要がない
- 膨大な処理が必要な場合でも中央に、強力なコンピュータを置いておけば迅速に対応できる
- 透明性がない
- 管理者が独断的にルールを変更できる
- 管理者に問題や障害などが起きた場合、システムが崩壊する可能性がある
コンソーシアムチェーン(コンソーシアム型ブロックチェーン)
複数の管理者が存在するブロックチェーンで、”パブリックチェーン” と ”プライベートチェーン” を混ぜたようなブロックチェーンです。
ルール変更の場合でも、管理者が複数いるため、一定数の合意が必要になります。
そのため、プライベートチェーンのように ”管理者が独断的にルールを変更できる” と言うリスクはある程度ふせげます。
また、分散しているため ”セキュリティ” や ”耐障害性” もプライベートチェーンに比べると強いです。
この通りで、中央に強力なコンピュータを置いておけば、迅速により多くの処理ができます。
ブロックチェーンの未来
結論、とても伸びる分野!未来は明るいです!
株式会社矢野経済研究所は、ブロックチェーン活用サービス市場規模(事業者売上高ベース)を⇩のように、発表しています。
2019年度 171億8,000万円
2021年度 783億3,000万円(見込み)
2025年度 7,247億6,000万円(予測)
また、株式会社グローバルインフォメーションは、世界のブロックチェーン技術市場は⇩のように、発表しています。
2020年 58億米ドル(1ドルを120円とした場合 6960億円)
2021年〜2027年の予測期間においてCAGR 77.07%で成長し、2027年には3,183億8千万米ドル(1ドルを120円とした場合 38兆2056億円)規模に到達すると予測。
これだけ成長する分野はなかなかないですよね。
具体的には下記のようなものに使われていくと思われます。
- 銀行
- 証券会社
- カーシェアリング
- 食品の流通
- 不動産登記
- マイナンバー
- 電子政府
これらはあくまで例ですが、ブロックチェーン技術の代表としては、ビットコインのように仮想通貨分野があげられます。
改ざんが難しいなどのメリットを考えると、金融系との相性はかなり良さそうですね。
今後は金融以外の分野でも、この技術が広まっていくことは間違いないでしょう。
この技術を理解していると「これもブロックチェーンなんだ!」と言う発見もできて、理解がより深まりそうです。
まだまだ発展途上の分野ですので、新たな進化にも注目していきましょう。
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